追徴課税とは

1 追徴課税について

申告をしていなかった場合(無申告)や申告した税金の額が本来納めるべき額より少なかった場合(過少申告)には、追徴課税を受けることになります。追徴課税される税額には、既に納めた額と本来納めるべき額との差額に、以下の附帯税が加算されることが注意点として挙げられます。

2 加算税

加算税とは、申告に誤りがあった場合等にペナルティとして本来の税に加算して課される税金で以下の4酒類があります。

⑴ 過少申告加算税

過少申告加算税は、期限内に提出された申告書に誤りがあり修正申告書を提出した場合等に課される税金です。税額は納める本税(所得税、法人税、消費税等)に以下の規定により計算された割合を乗じて算出されます。

  1. 原則として10%(ただし、期限内申告額と50万円のいずれか多い金額を超える部分については15%)です。
  2. 調査通知以後、更正が予知される前に修正申告書を提出した場合は5%軽減されます。
  3. 税務調査の際に帳簿の不提出等があった場合には、5%又は10%加算されます(令和6年1月1日以後適用)。

⑵ 無申告加算税

無申告加算税は、期限に遅れて申告書を提出した場合等に課される税金です。税額は納める本税に以下の規定により計算された割合を乗じて算出されます。

  1. 原則として15%(ただし、本税の50万円超300万円以下の部分については20%、300万円超の部分は30%)です。
  2. 調査通知以後、更正が予知される前に期限後申告書を提出した場合は5%軽減されます。
  3. 税務調査の際に帳簿の不提出等があった場合には、5%又は10%加算されます。(令和6年1月1日以後適用)。

⑶ 不納付加算税

不納付加算税は、源泉徴収税額を期限後に納めた場合に課される税金です。税額は納める源泉所得税に以下の規定により計算された割合を乗じて算出されます。

  1. 税務署からの告知を受けて源泉所得税を納付した場合は10%です。
  2. 税務署からの告知を予知せずに自主的に納付した場合は5%です。
  3. 期限から1か月以内に納付し、過去1年以内が適切に納付されている場合は、加算税はかかりません。

⑷ 重加算税

重加算税は、仮想又は隠蔽を行っていた場合に、他の加算税に代えて課される税金です。税額は納める本税に以下の規定により計算された割合を乗じて算出されます。

  1. 原則として、過少申告加算税又は不納付加算税に代えて課される場合は35%、無申告加算税に代えて課される場合は40%となります。
  2. 過去5年以内に、無申告加算税(一定のものに限ります。)又は重加算税を課されたことがある場合は、10%加算されます。
  3. 前年度及び前々年度に無申告加算税(一定のものに限ります。)又は無申告重加算税を課される者が、更なる無申告行為を行った場合は10%加算されます。

3 延滞税

税金が期限までに納付されなかった場合に、納付されるまでの利息に相当する税金が延滞税です。修正申告や期限後申告によって新たに納める本税が発生した場合は、法定納期限の翌日からから本税(所得税、法人税、消費税等)が納付された日までの日数に応じた延滞税が課せられます。

⑴ 延滞税の割合

延滞税の割合は、次のとおりです。

① 納期限の翌日から2か月を経過する日まで

原則として年7.3%ですが、令和3年1月1日以後の期間については、特例として7.3%と「延滞税特例基準割合+1%」のいずれか低い割合とされており、令和5年分の割合は2.4%となっています。

② 納期限の翌日から2か月を経過した日以後

原則として年14.6%ですが、令和3年1月1日以後の期間については、特例として14.6%と「延滞税特例基準割合+7.3%」のいずれか低い割合とされており、令和5年分の割合は8.7%となっています。

⑵ 延滞税の計算期間の特例

不正行為により国税を免れた場合等を除き、次の場合等には延滞税の計算期間に含めないという特例があります。

  1. 期限内申告書が提出されていて、法定申告期限後1年を経過してから修正申告が提出されたとき等
  2. 期限後申告書が提出されていて、その申告書提出後1年を経過してから修正申告が提出されたとき等

4 利子税

利子税とは、所得税における延納又は法人税における申告期限の延長の制度を利用した場合等に課される利息に相当する税金です。

利子税の割合は原則として7.3%ですが、令和3年1月1日以後の期間については、特例として7.3%と利子税特例基準割合のいずれか低い割合とされており、令和5年分の割合は0.9%となっています。

5 対策

追徴課税を受ける場合の付帯税の種類について上述しましたが、附帯税には上述した以外にも細かい規定がいくつかあります。特に加算税については、度重なる法改正により年々複雑になり、とても一般の方が全てを理解できるものではないと思います。

加算税の仕組みを完全には理解できなくても、申告に不備があると相当な負担を強いられると認識することが大切です。対策としては、当初から期限内に適正な申告を行うことが大前提ですが、やむを得ず修正申告や期限後申告を行う必要が生じた場合には、なるべく早く税理士に相談されることをお勧めします。

keyboard_arrow_up

0368972900 問い合わせバナー 無料相談について